教育実践研究に投稿される原稿の種類について

 富山大学人間発達科学部附属人間発達科学研究実践総合センター紀要投稿要項にて規定されていますように、原稿を投稿される際には、論文,報告,資料,その他の区別を投稿カードに記入することになっています。また、投稿される原稿は、富山大学附属人間発達科学研究実践総合センター紀要執筆要項に従って作成されているものとします。ここでは、この4つの区分について、事例をあげて説明を加えておきます。もちろん、4つの分類の区別には個人的な判断基準の違いが生じることがありますので、提出時に筆者自身が分類を申告していただくとともに、編集委員会にて判断をさせていただくことになります。

(1)論文:新たな発見または見解を示した研究成果を論述したもの
 オリジナルの(他の研究雑誌等に投稿されていない)研究成果について、今後の実践研究の発展に有益な事実に対して客観的に著者の見解を記述した著作。研究分野によって事情は異なりますが、教育実践を対象化し分析を加えていることが必要です。
 例えば、心理学の場合ですと、実践に関する理論的あるいは経験的な知識に基づき、仮説をたてて実践を行い、その結果を分析し、仮説が検証されたかどうかを論述したものがこれにあたります。教科教育等ですと仮説が明確でない場合もありますが、教育目標を明確にして、教材の特性や指導方法について客観的に記述し、実践した結果を分析して結論を導くことで、他の実践者にとって有益な情報を記述することが可能です。また、教育実践を理論的に分析し、新しい教育のとらえ方や価値・基準を明らかにする研究もあると思います。もちろんこれ以外にも教育実践を対象化して分析する方法は多数あると考えますので、多数の研究論文をお待ちしております。

(2)報告:授業実践報告など
 オリジナルの(他の研究雑誌等に投稿されていない)研究成果について、今後の実践研究の発展に有益な事実を記述した著作。実践した結果を、特に分析を加えないで、ほぼそのまま記述している場合などが、これにあたります。実践をそのまま報告することで、他の教育実践の研究者に有益な情報を伝えることが目的となります。

(3)資料:研究レビューや紹介,総説など
 教育実践にかかわる他の研究者等の研究成果をレビューした著作や、他の研究者の研究を紹介した著作、その研究分野全体について論じた著作などがこれにあたります。

(4)その他:上記(1)から(3)以外のもの